
京都の自然美を車窓から楽しむ嵯峨野トロッコ列車の魅力
京都を訪れる観光客にとって外せない体験のひとつ、嵯峨野トロッコ列車。
保津川の渓谷美を楽しみながら、のんびりと景色を堪能できるこの観光列車は、年間100万人以上が利用する人気スポットとなっています。
特に桜や紅葉のシーズンには予約が取りにくくなるほど。
嵯峨野・嵐山エリアから亀岡までの約7.3kmを25分ほどかけて走るこの列車は、四季折々の景色を楽しめることで知られています。
2025年4月、私自身も亀岡駅から嵐山まで乗車しました。桜は少し終わりかけでしたが、それでも美しい景色と、アットホームな駅員さんの話術、独特の英語アナウンスなど、単なる移動手段ではなく、まさに「観光体験」そのものの価値がありました。
この記事では、そんな嵯峨野トロッコ列車の魅力と実用情報をたっぷりとお届けします。

【このブログの要約】
《基本情報と特徴》
- 京都の嵯峨野・嵐山から亀岡までを結ぶ7.3kmの観光列車(所要時間約25分)
- 保津川渓谷の四季折々の景色(桜、新緑、紅葉、雪景色)を楽しめる
- 運行期間:3月1日〜12月29日(水曜定休、繁忙期は運行あり)
- 料金:大人880円、小人440円(全区間均一)
《予約と乗車のポイント》
- インターネット予約は乗車予定日の1ヶ月前から可能
- 桜(3月下旬〜4月上旬)と紅葉(11月中旬〜12月上旬)シーズンは早めの予約が必須
- 窓側席(A席・D席)からの景色が特におすすめ
- リッチ号(5号車)はオープン車両で風を感じながら乗車可能(雨天時はカッパ必要)
《観光のコツと今後の展望》
- 周辺観光:竹林の小径、渡月橋、保津川下りとの組み合わせが人気
- 2027年春に新型車両導入予定(天井・側面ガラス張り、座席間隔拡大)
- 現行車両は2026年引退予定
- 駅員のユニークなアナウンスも列車旅の魅力のひとつ
嵯峨野トロッコ列車の基本情報と歴史

120年以上の歴史を持つ路線
嵯峨野トロッコ列車の歴史は意外と古く、その起源は1899年(明治32年)8月15日にさかのぼります。
田中源太郎氏をはじめとする有志によって設立された「京都鉄道」が嵯峨~園部間の営業を開始したのが始まりです。
その後、鉄道省、日本国有鉄道、そしてJR西日本へと運営主体は変わっていきました。
しかし現在の観光列車としての歴史は、1991年(平成3年)に始まります。
JR山陰本線の複線電化によって廃線となった一部区間を観光鉄道として再興したのです。
沿線には千数百本もの桜と紅葉が植樹され、地域の協力のもと嵯峨野トロッコ列車の営業が開始されました。
今年で開業から34年目を迎える老舗の観光列車なのです。
嵯峨野観光鉄道の現状
嵯峨野観光鉄道は、JR西日本の100%子会社として運営されています。
経営状況も比較的安定しており、2019年度の当期純利益は4472万円、利益剰余金は9億3453万円を計上していました。
しかし、その後のコロナ禍の影響は避けられなかったと思われます。
それでも現在では、国内のみならず海外からの観光客も数多く訪れる人気スポットとなっています。
嵯峨野観光線の各駅の1日平均乗降客数を見ると、トロッコ亀岡駅が2,528人、トロッコ嵯峨駅が1,487人、トロッコ嵐山駅が1,088人と報告されています。
トロッコ列車の乗車体験と四季折々の絶景

車窓から楽しむ四季の風景
嵯峨野トロッコ列車の最大の魅力は、季節ごとに異なる美しい景色を楽しめることです。
春は約2000本の桜が彩る保津川渓谷、夏は鮮やかな新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、一年を通じて違った表情を見せてくれます。
特に人気なのは春の桜と秋の紅葉のシーズンです。
例年3月下旬から4月上旬が桜の見頃で、特に「桜のトンネル」と呼ばれる区間では、満開の桜に包まれるような幻想的な風景が広がります。
ただ、2025年の桜は少し早く咲いたようで、4月11日に訪れた際には、すでに終わりかけていました。
4月11日は、見ごろより3〜4日ほど遅れていた印象です。
秋の紅葉は例年11月中旬~12月上旬が見頃です。
この時期には「光の幻想列車」も運行され、ライトアップされた紅葉を楽しめます。
モミジ、カエデ、イチョウ、ウルシなど色とりどりの紅葉が織りなす保津川の渓谷を、色鮮やかな列車で縫うように進む光景は圧巻でしょうね。
秋も、また行きたいです。
リッチ号でより開放的な体験を
トロッコ列車の5号車は「リッチ号」と呼ばれる特別車両で、1998年7月19日から運行が始まりました。
窓ガラスや側板がないオープン車両になっており、自然の風を感じながら景色を楽しめる特別な体験ができます。
ただし、雨天時は雨に濡れる可能性があり、カッパの着用が必要になることもあります。
どの席がおすすめ?

トロッコ列車の座席は、「A」「B」「C」「D」の4人で1ボックスの対面式になっています。
窓側の席はA席とD席です。
私は亀岡駅から嵐山へ向かう際、進行方向に対して後ろ向きの右側の席でした。
最初は左側の席の方が渓谷の景色が良かったのですが、後半になると右側から川面が見えるようになりました。
結局はどちら側に座っても美しい景色が楽しめるので、あまり気にする必要はないかもしれません。
ただ、進行方向に対して前向きの席だと、より景色を楽しみやすいかもしれません。
また、駅員さんのアナウンスが非常に独特で、車掌さんの英語も訛っていて、それがまた面白かったのも印象的でした。
これも嵯峨野トロッコ列車ならではの体験といえるでしょう。
実用情報:予約方法と周辺観光

運行期間と料金
嵯峨野トロッコ列車は毎年3月1日から12月29日までの期間運行しています。
基本的に水曜日が定休日ですが、祝日や繁忙期には水曜日も運行する場合があります。
料金は全区間均一料金で、大人(12歳以上)が880円、小人(6歳以上12歳未満)が440円です。
過去の情報では630円との記載もありますが、料金改定が行われたようです。
予約方法とおすすめの時期
乗車券はインターネットや駅窓口で購入できます。
インターネット予約は乗車予定日の1ヶ月前から可能で、2024年2月からは新しいネット予約システムが導入され、eチケットをスマートフォンの画面に表示するだけで乗車できるようになりました。
特に桜や紅葉のシーズンは大変混雑するため、早めの予約がおすすめです。
当日券も販売されていますが、人気時期は完売してしまうことも多いようですね。
周辺観光スポット
嵯峨野トロッコ列車の旅をより充実させるために、周辺の観光スポットも訪れてみましょう。
トロッコ嵯峨駅周辺には、渡月橋や竹林の小径といった嵐山の有名スポットがあります。
特に竹林の小径は、整然と立ち並ぶ竹林が約400mも続く人気のスポットです。
また、トロッコ列車で亀岡まで行き、帰りは「保津川下り」で船に乗るコースも人気があります。
異なる視点から同じ渓谷の景色を楽しめるため、より充実した観光ができるでしょう。
未来への展望:新型トロッコ列車の導入
2027年春、新型車両が登場予定
嵯峨野トロッコ列車は、2027年春に新型車両の導入を予定しています。
この新型車両は、天井や側面がガラス張りになり、保津川渓谷の雄大な自然をこれまで以上に楽しめるようになるとのこと。
座席間隔や通路幅も拡大され、より快適な乗車体験が期待できます。
また、グループで利用できる特別室も新設される予定で、安全性と環境への配慮も強化されます。
車内表示器は日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の4か国語に対応するなど、国際的な観光地としての機能も充実します。
現行のトロッコ列車は2026年に引退する予定とのことですので、レトロな雰囲気の現在の車両に乗車したい方は、それまでが最後のチャンスとなります。
トロッコ列車が観光路線として成功した理由

嵯峨野トロッコ列車は、廃線となった路線を活用した観光列車として大成功を収めています。
なぜこれほどまでに人気を集めているのでしょうか。
まず一つ目の理由は、京都という世界的な観光地に位置していることです。
嵐山・嵯峨野エリアは京都の中でも特に人気の高い観光地であり、トロッコ列車はその魅力をさらに高める役割を果たしています。
二つ目の理由は、四季折々の美しい自然景観です。
保津川渓谷の景色は、春夏秋冬で全く違った表情を見せ、何度訪れても新鮮な感動を味わえます。
三つ目の理由は、単なる移動手段ではなく「体験」として価値を提供していることです。
駅員や車掌のユニークなアナウンス、オープン車両のリッチ号など、通常の鉄道旅行では味わえない特別な体験を提供しています。
これらの要素が組み合わさることで、嵯峨野トロッコ列車は年間100万人以上が利用する人気観光スポットとなったのです。
嵯峨野トロッコ列車で最高の思い出を作ろう
嵯峨野トロッコ列車は、四季折々の京都の自然美を気軽に楽しめる素晴らしい観光列車です。
桜や紅葉のシーズンはもちろん、新緑の初夏や冬の雪景色など、訪れる時期によって異なる魅力があります。
私自身の体験からも、進行方向や座席の位置にこだわりすぎず、ゆったりと車窓からの景色を楽しむことをおすすめします。
今後も新型車両の導入など進化を続ける嵯峨野トロッコ列車ですが、現在の車両にも独特の魅力があります。
京都を訪れる際には、ぜひ嵯峨野トロッコ列車に乗車して、特別な思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
インターネットで事前予約すれば、混雑期でもスムーズに乗車できますし、周辺の観光スポットと組み合わせれば、より充実した一日を過ごせることでしょう。
嵯峨野トロッコ列車で、あなただけの京都の思い出を作ってください。
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